昨日(1月27日)は日米の株式市場が大きく動いた一日となりました。日経平均株価は続落し、前週末比366.18円(0.92%)安の3万9565.80円でした。一方、27日のNYダウは反発して前週末比289.33ドル(0.65%)高の4万4713.58ドルでしたが、ナスダック総合株価指数は大幅に続落し、同612.47ポイント(3.07%)安の1万9341.83ポイントでした。
■日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
■NYダウチャート/日足・3カ月NYダウチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
■ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
1月27日に日経平均株価とナスダック総合株価指数が下落した主な要因は、中国の新興AI企業であるDeepSeek(ディープシーク)が1月20日、オープンAIの「ChatGPT(チャットGPT)」に匹敵する性能を、その数分の1程度のコストで実現する画期的なAIモデル「R1」を発表したことでした。そのため、今回の下落は「ディープシーク・ショック」と呼ばれています。
ディープシークのアプリは、1月27日のアップルの無料ダウンロードランキングにおいて、米国や中国で首位となりました。これを受けて市場では、「R1」の誕生でオープンAIやその他の米国のAIサービス提供会社は価格を引き下げざるを得なくなるかもしれないとの懸念が増大。その結果、AI関連や半導体関連、データセンター関連に加えて、AI需要で電力供給が足りなくなるとの見方から買われていた電力設備投資関連にまで売りが広がりました。
中国のディープシークが低コストなAIの開発に成功したことで、
トランプ政権による対中国の締め付けが一段と強まる可能性が増大
米国は、ハイテク分野の覇権争いの要となるAI分野で中国が優位に立つことを阻止しようと、画像処理半導体(GPU)などのハイエンド技術の中国への輸出を禁止しています。にもかかわらず、中国は着々と技術を進歩させています。このためトランプ政権は、対中国の締め付けを一段と強める可能性があります。
実際、米国のブルームバーグ通信は、トランプ米大統領が1月27日(日本時間28日)に「極めて近い将来に外国製コンピューターチップと半導体、医薬品に関税を適用する。これらの必需品の生産を米国に戻すことが目的だ」と述べたと伝えました。
ただし、低コストで生成AIを作成できるという技術革新は、生成AIのさらなる普及にとってはポジティブな材料です。よって、AI関連銘柄に関しては「半導体などのハード」から「ソフトウエア」にマネーがシフトするかもしれません。
ちなみに、トランプ米大統領は1月27日に「(ディープシークの技術について)多額のお金を使う必要がないため、それは良いことだ。私はそれをポジティブに、資産として見ている」と話しています。そのため、今後、米中のハイテク企業が切磋琢磨して、安価で高性能なAIの開発競争を激化させることでしょう。
「値がさハイテク株」の調整が一巡するまで日経平均株価の上値は重い!
当面は「ハイテク株」を避けて「内需系銘柄」を狙うべき
ところで日経平均株価に関しては、ここ最近の取引レンジである「3万8055.68円(1月17日~4万398.23円(2024年12月27日)」の範囲で推移している間は「保ち合い局面」と認識しておくべきです。そして上か下かはわかりませんが、レンジブレイクが起きたらトレンドが発生する可能性が高いとの見方は不変です。
■日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
日経平均株価の1月24日の高値は4万279.79円、27日の高値は4万255.68円なので、やはり4万398.23円はレジスタンス(上値抵抗線)として強く意識されているようです。また、指数寄与度の大きい“値がさハイテク株”の調整が一巡しない限り、日経平均株価がレンジ上限(4万398.23円)をブレイクするのは厳しそうです。
一方、TOPIXについては、1月28日の日経平均株価が前日比548.93円(1.39%)安の3万9016.87円だったのに対しは同1.17ポイント(0.04%)安の2756.90ポイントとほぼ横ばいの動きを見せました。
■TOPIXチャート/日足・3カ月TOPIXチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
セクター別では、不動産や銀行、陸運、サービス、証券、商品先物、小売などの金融や内需株が堅調でした。このため「当面はハイテク株を避け、内需系銘柄を狙うべき」と考えています
特に、銀行セウタ―には注目しています。ご存じの通り、日銀は1月24日の金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を「0.25%」から「0.5%」へ引き上げました。「金利のある世界」の本格的な到来であり、銀行は利ざや収入が増え、収益がさらに拡大することが期待できます。
なお、金融政策決定会合後の記者会見で、植田総裁は「今後ですが、経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくという基本的な考え方に変わりはありません」と述べています。このため、日銀は粛々と利上げを続ける見通しであり、これは銀行株への追い風です。
ただし、植田総裁は「だからといって、ポンポン(金利を)上げていけるかとかそういうことについては、安易に考えずに注意深く進んでいきたいというふうにはもちろん思っております」とも述べており、拙速な利上げは見込んでいません。景気に配慮したピッチでの利上げは、日本株全体にとってポジティブな材料と見ています。
現在の日本市場では「高値の飛びつき買い」は避け、
「押し目買い・噴き値売り」に徹することが何よりも重要
前回も指摘しましたが、日経平均株価などの株価指数が「保ち合い局面」のときは、「下落局面」よりは儲けやすいのですが、「上昇局面」に比べると難易度が非常に高いといえます。なぜならば「順張り」が成功しにくいからです。このため「保ち合い局面」では、「逆張り」に徹することをおすすめします。
つまり、心掛けるべきは「押し目買い・噴き値売り」で、逆にもっともやってはいけないことは「高値の飛びつき買い」です。
上げ相場のときは高値をつかんでも助かる可能性がありますが、「保ち合い局面」では、なかなか助けが来ません。よって、買いエントリーは押し目を辛抱強く待って、慎重に行うべきと考えます。また、一発で買うのではなく、当初から買い下がりを前提に、2〜3回程度の分割買いをした方がいいと思っています。なぜなら、現在は市場に資金が流入している状態ではなく、「市場全体が、下がりやすく、上がりにくい」状況と認識しているからです。
とにかく「保ち合い局面」では、リスク管理を厳格化し、資金を減らさないことを最優先にして市場に臨むことを強く推奨します。
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