師匠の立浪親方「入門してくれてありがとう」豊昇龍の横綱昇進に感無量

横綱昇進の伝達式を終え、会見で笑顔を見せた豊昇龍(右)と立浪親方=東京都台東区の立浪部屋

豊昇龍の第74代横綱昇進が29日、正式に決まった。喜色満面の豊昇龍の横で、師匠の立浪親方(元小結旭豊)は感無量の面持ちだった。

「入門してくれてありがとうって感じですね。最高です。こんな師匠冥利に尽きることはない」

豊昇龍と初めて会ったのは、彼が高校2年の頃だ。内にパワーを秘めたモンゴル人の少年は光って見えたという。「強くなる、大関までは行くと思った。見る目は間違ってなかったのかな」と感慨に浸ってから「彼の努力ですけど」と付け加えた。

そんな親方に豊昇龍は信頼を寄せている。綱取りの初場所で連敗から立て直せたのも、四股など基礎運動を徹底して体作りをしたのも、親方の言葉があったから。「自分のことを分かってくれている」と感じているから素直に聞けた。

豊昇龍は高校3年の全国大会で活躍すると、いくつもの大学から勧誘が来た。しかし、最初に声を掛け、ずっと気にしてくれていた立浪親方の元に迷わず入門したのである。当時、体重が100キロほどだった新横綱は「一番は親方に感謝している。あの細い小さい子を入門させてくれて、いろいろ教えてくれて感謝の気持ちでいっぱいです」と照れることなく真っすぐ伝えた。(宝田将志)

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