「ドクターイエロー」の愛称で親しまれている新幹線の検査専用車両のうち、JR東海が保有する車両が29日に引退を迎え、静岡県内でも最後の姿を一目見ようと、多くの鉄道ファンらが集まりました。 「ドクターイエロー」は東海道・山陽新幹線で走行しながら線路や設備を検査する専用車両で、鉄道ファンなどからは「見かけると幸せが訪れる」とされ、人気を集めてきました。 JR東海とJR西日本がそれぞれ1つの車両を保有し、共同で運行してきましたが、このうちJR東海の車両が老朽化などを理由に29日引退を迎えました。 静岡県内では、午後5時前に静岡駅を通過し、ホームに集まった鉄道ファンらがカメラやスマートフォンで写真を撮るなどして引退する車両を見送っていました。 静岡駅で見送った地元の中学2年の男子生徒は「ドクターイエローは東海道新幹線の歴史の中でスターのような役割だったので悲しい。長い間お疲れさまでしたと声をかけたい」と話していました。 また、富士市中之郷の富士川にかかる鉄橋は富士山と車両を同時に撮影できる人気スポットとなっていて、車両が通過するとカメラを構えた人たちが一斉にシャッターを切っていました。 富士市で車両を撮影した沼津市の50代の男性は「きょうは富士山も一緒に見ることができたのでよかった。『幸せの黄色い新幹線』と言われているので、ここまで来られない人たちのためにもSNSに写真を載せて少しでも幸せを分けてあげたい」と話していました。 一方、JR西日本も「ドクターイエロー」を保有していますが、こちらは2027年をめどに運行を終える予定です。