JR東海の「ドクターイエロー」 引退 | NHK

「ドクターイエロー」の愛称で親しまれている新幹線の検査専用車両のうち、JR東海が保有する車両が29日、引退を迎えました。

東京駅には最後の姿を一目見ようと、多くの鉄道ファンらが集まりました。

「ドクターイエロー」は、東海道・山陽新幹線で走行しながら線路や設備を検査する専用車両で、鉄道ファンなどからは「見かけると幸せが訪れる」とされ、人気を集めてきました。JR東海とJR西日本がそれぞれ1つの車両を保有し、共同で運行してきましたが、このうちJR東海の車両が老朽化などを理由に29日引退を迎えました。博多駅を出発し、最後の検査走行を終えて午後6時前に東京駅に到着すると、最後の姿を一目見ようとホームに集まった多くの鉄道ファンらが出迎えました。JR西日本が保有するもうひとつの車両は、2027年をめどに引退する予定で、それまでの間は両社が共同で運行することになっています。

従来と同様におよそ10日に1度の頻度で運行され、まだしばらくはドクターイエローを目にする機会はありそうですが、引退したあとは専用車両は廃止され、営業車両に専用の機器を取り付ける形で検査を行うということです。

29日の最後の走行の予定は一般には公表されていませんでしたが、名古屋駅では「ドクターイエロー」が入ってくる時刻の午後4時すぎ、新幹線のホームに大勢の鉄道ファンなどが集まりました。

そして、およそ1分間停車したあと「ドクターイエロー」が発車すると、集まった人たちはカメラで撮影したり手を振ったりして引退する車両を見送っていました。

名古屋駅を訪れた男性(40代)

「きょうがラストランだと思い、2時間ほど前からホームで場所とりをしていました。とてもさみしいですが最後の姿を見れて幸せな気持ちになりました。今までありがとうと伝えたいです」

JR東海は引退した「ドクターイエロー」の先頭車両をことし6月ごろから名古屋市にある「リニア・鉄道館」で展示することにしています。

東海道・山陽新幹線を営業車両と同じ速度や条件で走行しながら線路にゆがみがないかや設備に異常がないかなどを検査する「ドクターイエロー」。運行が始まったのは東海道新幹線が開業した1964年からで、夜間でも目立ちやすいよう当時から車体は黄色でした。現在の車両は

▽JR東海が保有するものが4代目、

▽JR西日本のものは5代目となります。

検査用車両のため乗客は利用できませんが、時刻表が公表されておらず、いつ姿が見られるかわからないことや、“新幹線のお医者さん”という役割などから鉄道ファンなどの間では「見かけると幸せが訪れる」と言われ人気を集めてきました。

「ドクターイエロー」の引退後は、「のぞみ」や「ひかり」などとして運行されている「N700S」という車両に専用の機器を取り付け営業運行しながら検査を行うということです。

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