米旅客機 ヘリ墜落事故 “管制塔で「通常ではない」体制“ | NHK

アメリカの首都ワシントン近郊で、乗客と乗員あわせて64人を乗せた旅客機と軍のヘリコプターが衝突して墜落した事故について、ニューヨーク・タイムズは、30日、事故当時、空港の管制塔では本来2人でやるべき業務を1人が担当する「通常ではない」体制がとられていたと報じました。

首都ワシントン近郊にあるレーガン・ナショナル空港の近くで、29日夜、乗客60人と乗員4人を乗せて着陸態勢に入っていたアメリカン航空の旅客機と、訓練中の陸軍のヘリコプターが空中で衝突し、ポトマック川に墜落しました。この事故で、トランプ大統領は「生存者はいない」と発表しています。事故について、ニューヨーク・タイムズは30日、FAA=連邦航空局の内部報告書を入手したとして、当時、空港の管制塔ではヘリコプターを担当する管制官がほかの航空機への離着陸の指示も担当していたと伝えました。内部報告書は本来2人で分担すべき業務を1人で担当していたのは、「時間帯や離着陸の量からみて通常ではなかった」と指摘しているとした上で、アメリカ国内の空港の管制塔の人員不足は長年にわたり続いていると報じています。

一方、トランプ政権の次の陸軍長官に指名されたドリスコル氏は30日、議会上院の公聴会で、訓練飛行に伴うリスクについて「空港の近くは適切ではないかもしれない」と答え、就任すれば見直しを検討する考えを示しました。

アメリカCBSテレビは、30日、NTSB=国家運輸安全委員会は墜落したアメリカン航空の旅客機に搭載されていたフライトレコーダーと、コックピットでの会話を記録したボイスレコーダーをそれぞれ回収したと報じました。

フライトレコーダーなどはNTSBの研究室で分析にかけられるとしています。

アメリカの有力紙ワシントン・ポストは、30日、首都ワシントン近郊のレーガン・ナショナル空港の近くで29日夜に起きた事故のおよそ24時間前にも、同じ空港に着陸しようとした別の旅客機の針路の近くにヘリコプターが現れたため、旅客機が急旋回を強いられ、着陸のやり直しを行っていたことが航空管制の音声記録などから明らかになったと報じました。

この旅客機を運航するアメリカのリパブリック航空の広報担当者はワシントン・ポストの取材に対して「現時点ではコメントできない」と述べたと伝えられています。

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