恒川隼 宮島昌英
【動画】埼玉県八潮市の道路陥没現場。崩落が進み、二つの穴が一つになった=遠藤雅彦撮影
県道が陥没し、二つの穴がつながって巨大な穴となった現場=2025年1月30日午前9時44分、埼玉県八潮市、朝日新聞社ヘリから、吉田耕一郎撮影
埼玉県八潮市二丁目で28日午前、県道が陥没して2トントラックが転落した事故で、車内に閉じ込められた70代の男性運転手の救助活動が続いている。さらに道路の陥没が拡大するなど現場は不安定な状況で、消防は30日未明から活動を中断していたが、同日昼ごろから再開した。
現場では、地元消防が東京消防庁などの応援も得ながら29日、穴の内部の排水作業などをした上で、同日夕に一時中断していた救助活動を再開して以降、ショベルカーで陥没のまわりの崩れやすい箇所を取り除くなどしていた。
だが30日午前2時半ごろ、最初の陥没と29日未明に起きた陥没でできた二つの穴の間の道路も崩落。つながって巨大な一つの穴になった。内部には下水道の破損箇所からとみられる流水で水がたまり、拡大が続いているという。消防は、現在の陥没の大きさは確認出来ていないとしている。
30日昼ごろに、消防は中断していた救助活動を再開した。消防によると、安全を確認しながら、クレーンなどを使って穴の中の土砂を集めて道路につながるスロープを作り、そこから重機を入れて土砂やがれきを取り除きたい考えだ。
同日昼時点で、トラックの運転席部分は土砂やがれきに埋まり、目視できない状態だという。
一方、埼玉県は29日午後11時過ぎ、下水処理場を通さずに最低限の処理後に汚水を河川に流す「緊急放流」を、同県春日部市のポンプ場で実施した。下水道管内の流量が増し、再びあふれるおそれがあることが理由。この河川の水は、水道用水には利用していない。県東部の12市町の約120万人に対しては引き続き、風呂や洗濯などでの下水道の使用制限を求めている。
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この記事を書いた人
宮島昌英
さいたま総局|事件担当
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国内政治、日本史、大相撲