埼玉県八潮市で起きた県道の陥没事故で、現場では29日未明にも新たな陥没が発生した。現場の地下を通る下水道の幹線が破損し、空洞が拡大しているとみられ、県は、さいたま市の一部など県東部の12市町の住民に、生活排水につながる洗濯や風呂を控えるよう関係自治体を通じて呼びかけた。対象者数は約120万人に及ぶ。
トラックが転落した陥没現場(右下)で救助活動を行う消防隊員ら(29日午後5時4分、埼玉県八潮市で、読売ヘリから)=鈴木毅彦撮影
大野元裕知事は29日の対策会議後に「陥没の範囲が広がる可能性が否定できず、影響が長期化する状況も懸念される」と述べた。県は、下水道上流部で汚水を吸い上げて別の下水道管に流しているほか、河川への緊急放流なども検討する。
最初の陥没は28日午前に起き、直径約10メートル、深さ約10メートルの穴が開いた。29日午前1時頃にもすぐ近くで陥没が発生し、ガス管が破損するおそれがあるとして、八潮市などは半径200メートル内に住む約200世帯に避難勧告を出した。
投光器に照らされた陥没現場で救助活動を行う消防隊員ら(29日午後5時29分、埼玉県八潮市で、読売ヘリから)=鈴木毅彦撮影
落下したトラックに乗っていた男性運転手の救助作業は29日も続けられたが、難航している。