政策金利を0.5%程度に引き上げる追加の利上げを決定した日銀。経済と物価情勢の改善が続き賃上げに向けた動きも広がっているとしていて、利上げは去年7月の会合以来です。
24日の東京株式市場、午後に入って日銀の植田総裁の会見を前に、積極的な取り引きが控えられ、日経平均株価は、小幅な値動きとなりました。日経平均株価、24日の終値はきのうと比べて26円89銭、安い、3万9931円98銭。東証株価指数、トピックスは0.70、下がって、2751.04。1日の出来高は18億6669万株でした。
市場関係者は、「日銀の追加の利上げを受けて外国為替市場で円高が進んだこともあって、日経平均株価は下落に転じた。日銀の植田総裁が会見で今後の利上げのペースについてどう語るのか見極めたいとして積極的な売り買いを手控える投資家も多かった」と話しています。
24日の東京外国為替市場では、追加の利上げが公表されると一時的に円売りドル買いが進む局面もありましたが、その後は、日銀が今後も利上げを続けるのではないかという見方から、一転して円を買ってドルを売る動きが強まり、円相場は1ドル=155円台まで値上がりしています。
市場関係者は、「日銀が公表した展望リポートの内容から今後も利上げが続くのではないかという観測が浮上している。午後3時半からの日銀の植田総裁の会見で今後の利上げのペースについてどのような発言があるかに関心が高まっている」と話しています。
東京・千代田区にある三井住友信託銀行のディーリングルームでは、午後0時半前に日銀の追加利上げが発表されると担当者たちが発表内容を読み込んだり、顧客からの問い合わせに対応したりしていました。外国為替市場では日銀の発表直後は円安が進みましたが、その後は金利の上昇を見込んで次第に円を買う動きが広がり、円高が進みました。外国為替市場の分析などを行う三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは「利上げの発表や展望レポートの公表に大きなサプライズはなかったので、為替の反応もやや小幅なものにとどまったのではないか」と分析しています。そのうえで「日銀はおそるおそる利上げしてきた過去があるので、利上げをしても円安に振れやすい動きがあった。今回も瞬間的には円安方向に振れたが、日銀の声明文などを見ると利上げの足取りがしっかりしたという内容だったので、その後は円高方向に動いている」と話していました。
また、植田総裁の会見での注目点については「日銀はこれまで利上げに慎重だったが、そのスタンスが変化したのどうか、また去年12月には春闘とアメリカ経済の動向を見極めたいと話していたが、今回、利上げの判断にいたった材料は何だったのかに注目していきたい」と話していました。