大阪・岸和田市議選 市長不信任に賛成の前職は得票↑ 反対だと↓

報道陣の取材に答える岸和田市の永野耕平市長(右端)=大阪府岸和田市で2025年2月3日午前10時13分、中村宰和撮影

不信任決議を受けた大阪府岸和田市の永野耕平市長(46)が議会を解散したことに伴う市議選が2日投開票され、新議員24人が決まった。毎日新聞が集計したところ、2024年12月の不信任決議で賛成した前職20人のうち16人が、前回選(23年4月)から得票数を増やした一方、反対した前職3人全員が得票数を減らす結果となった。

永野氏は24年12月に議会を解散した際に「議会による不信任決議が正しいのか有権者に考えてもらう。(前職が)前回選より得票を減らしたら、行動が評価されなかったとみていい」という独自の基準を示した。

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12月議会での不信任決議への賛否と市議選の得票数の増減①

投票率は40・23%で、前回の38・64%を上回り、得票数の合計は増えた。さらに、立候補者は29人で前回の33人を下回った。立候補者1人当たりの得票数は増えた。

得票数を最も増やしたのは、前議長で無所属前職の烏野隆生氏(55)。前回選から1027票を増やして2899票を得た。烏野氏は取材に対し「市民からすると『市長を早く辞めさせよう』という声が一番多かった」と選挙戦を振り返った。

12月議会での不信任決議への賛否と市議選の得票数の増減②

482票を増やしたのは、前副議長で共産前職の田中市子氏(65)だった。「市長の問題はひどいという反応があり、これまでと違う層からも投票してもらった」と分析した。

一方で、不信任決議に反対した前職や、永野氏が所属していた大阪維新の会の前職に対し、有権者は厳しく評価したことがうかがえる。

維新は選挙前に4議席あったが、前職1人が立候補せず、会派の幹事長を務めていた倉田賢一郎氏(46)が落選した。維新前職のうち、不信任決議に唯一賛成した中岡佐織氏(49)は、3050票を集めて2位で当選したものの、前回より520票減らした。中岡氏は「維新として大逆風を感じていた。立て直さないといけない」と受け止めた。

新議員の党派別の内訳は、公明6人▽共産4人▽維新2人▽自民1人▽無所属11人――となった。公明と共産、自民は選挙前の議席を維持した。公明前職は、米田貴志氏(60)が得票を大きく伸ばしトップ当選したが、他の5人は小幅な増減にとどまった。共産前職は4人全員が前回より票を上積みした。

新議員24人は3日、市役所で当選証書を受け取った。

永野氏は3日、報道陣の取材に対し、市議選の結果について「不信任に賛成した方々が票を伸ばしたのは、民意として受け止める。反対した人が議会から去ったり、票を減らしたりした状況は、数字通り受け止めなければならない」と話した。

永野氏は性的関係を巡って女性から損害賠償を求める訴訟を起こされ、24年11月、謝罪して解決金500万円を支払う内容で和解した。12月には所属していた維新から離党勧告の処分を受けて離党した。【中村宰和、藤河匠】

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