同じフジテレビアナでも大違い…「会社が大好き」と泣く男性、「徹底的な調査を」と訴える女性の温度差 フジテレビ港社長をはじめ男性局員の発言はどこかズレている (5ページ目)

BS番組に女性アナウンサーとして出演していたYouTuberの青木歌音氏は「あの歪な業界の裏を周知させることによって、早く浄化させたかった」とコメントした上で、1月20日に自身のチャンネルでこのように告発している。

青木歌音公式チャンネル 「私が女子アナ時代、フジテレビの偉い人から色々されたので告発します。」

「フジテレビの番組制作の界隈では、女性に対して“やっちゃう”。もうそれが普通だったんですよね」「皆の目の前でセクハラ発言されるんですよ。私も嫌がることができない」「というのも、1回その人に対してちょっと反抗的な態度とったときに(……)2~3週間干されたんですよね。結局私が謝ったから。また出してもらえたんですけど」

繰り返しになるが、これは、「中居正広さん女性トラブル問題」などではなく、「フジテレビガバナンス問題」であり、同時に、他局も含め、テレビ局をはじめとする「芸能業界のセクハラ・性加害問題」である。

他人を踏みつけにしてつくるエンタメなら、楽しめない

今回の件は、テレビ局など芸能関係で働くすべての女性――アナウンサーも、制作スタッフも、食堂や清掃員などのケアスタッフも、出演するタレント、俳優、アイドル、モデル、ミュージシャン、文化人、それを支えるスタイリストやメイクさんも――あらゆる女性が、一人の人間として尊重されて扱われるよう、転換点とすべき出来事だろう。

我慢や忍耐は、ハラスメントや性暴力に対してではなく、情報を伝える、人を楽しませる、ものをつくる、人をサポートするといった「プロフェッショナルな領域」でこそ発揮されるべきだ。

港社長はずっとバラエティ畑を歩み、かつてのフジ黄金期の「楽しくなくければテレビじゃない」を地でいく人だったようだ。だが、その「楽しさ」が他人を踏みつけにした上でつくられたものならば、もう視聴者は心から楽しめない。

ハラスメントを排し、人権を尊重しながらも、報道やエンタメはつくれるはずだ。そこに本気を出すのかどうか、日本のテレビ局、また芸能界が問われている局面ではないか。

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