中国新興企業が開発した生成人工知能(AI)、ディープシークの操作画面=AP
世界の生成人工知能(AI)業界に衝撃をもたらした中国の新興企業「ディープシーク(深度求索)」とは、一体どういう企業なのか? 中国メディアによると、同社は広東省出身の梁文鋒氏が2023年に設立。アリババグループなどIT企業が集積する浙江省杭州市に本社を置く。 1985年生まれの梁氏は、大学院生として情報通信工学を研究していた2008年にAIのアルゴリズムを利用した金融取引を始め、15年に同級生と共同でヘッジファンドを設立。順調に成長を続け、そのファンドが投資する形で誕生したのがディープシークだ。 24年5月に発表した低価格の生成AIモデル「V2」は業界で話題を呼び、字節跳動(バイトダンス)、アリババ、騰訊控股(テンセント)、百度(バイドゥ)などの国内IT大手が軒並み自社の生成AIモデルの価格を下げざるを得なくなった。 24年12月には少ないコストでチャットGPTなどに匹敵するとされる性能を持つ「V3」を発表し、1月には数学などの専門分野に特化した「R1」をリリースした。高性能の生成AIを従来の常識を覆す低コストで、しかも次々と開発する能力が市場を驚かせている。 習近平指導部は21年にデジタル中国戦略を打ち出し、AIを「重点発展領域」と位置づけた。チャットGPTのブームを受けた23年には、大手IT企業や新興企業が続々と参入し、生成AIの開発競争が加速している。 AI開発は米中の技術競争の主戦場の一つでもあり、米国のバイデン前政権は中国への半導体輸出規制などを続けてきた。中国紙「環球時報」(電子版)は27日、ディープシークの急成長をたたえた上で「ワシントンの中国に対する戦略的封じ込めは、経済のグローバル化の複雑な現実や中国の発展の特徴と蓄積されたエネルギーを根本的に無視している」とする論評を掲載した。【北京・松倉佑輔】
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