ドクターイエロー最後の雄姿にファン歓喜 名古屋駅で手振って見送る

名古屋駅のホームに姿を現した引退するドクターイエロー(T4編成)=代表撮影

黄色い車体が特徴で「新幹線のお医者さん」として親しまれ、老朽化などで1月で引退するJR東海の点検車両「ドクターイエロー」(T4編成)が29日、博多―東京間(約1100キロ)でラストランを行った。

引退車両は700系の新幹線を基に製造された7両編成で、2001年に運行を開始。10日に1回の頻度で走行し、電気や軌道などの設備を点検してきた。運行ダイヤは非公開で、めったに姿を見られないことから「見ると幸せになる」といった都市伝説も生まれた。

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この日、停車する名古屋駅には、最後の雄姿を目に焼き付けようと多くの鉄道ファンが訪れた。午後4時11分、ドクターイエローが14番ホームに停車。1分足らずで発車したが、見送った愛知県豊山町の小学2年、富山湊心(みなと)さん(8)は「寂しい。『いなくならないで』と手を振りました」と話した。

車体の窓に「ありがとうT4」と感謝のメッセージが装飾されたドクターイエロー=JR東海提供

車体の窓に「ありがとうT4」というメッセージが装飾された車両は午後5時50分ごろ、多くのファンに迎えられ、終着地の東京駅に到着した。

引退車両の一部は6月ごろに「リニア・鉄道館」(名古屋市)で展示される。検測走行はJR西日本のドクターイエローが引き続き行うが、27年以降をめどに引退予定。

JR東海は27年以降、新幹線の営業車両N700Sに検査機器を取り付け、営業運転しながら検測する方法に切り替える。【真貝恒平、佐久間一輝】

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