ぶれない決意に、名門復活への思い 豊昇龍「気魄一閃」で横綱へ

横綱昇進を伝達され、タイを手に笑顔を見せる豊昇龍(中央左)。同右は立浪親方=東京都台東区の立浪部屋で2025年1月29日午前9時46分、北山夏帆撮影

大相撲の第74代横綱・豊昇龍が29日、誕生した。

ぶれない土俵への思いや叔父の存在、そして名門復活の決意――。昇進伝達式後に記者会見に臨んだ豊昇龍は率直な言葉で、第一人者としての自覚を新たにした。

横綱昇進の口上に盛り込んだ言葉は「気魄一閃(きはくいっせん)」。2023年名古屋場所後の大関昇進時と変わらぬフレーズだ。口上が同じ言葉なのは異例だが、豊昇龍は「ケガなど何が起きても力強く立ち向かう(気魄)。それが自分にとっても一番いい」と語った。

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師匠の立浪親方(元小結・旭豊)が明かす。

「後援者の方が(口上の案を)いろいろ考えてくれたんですよ。でも、すぐに『気魄一閃で行きます』って……。彼らしいなって」

伝達式の前日の28日には、豊昇龍から叔父の元横綱・朝青龍に電話したという。「『よくやったな。(日本相撲)協会の看板力士なんだから』と言われました」

朝青龍のおい、という形容詞は素直に受け入れることにした。

「横綱に上がっても、叔父さんの名前は僕から離れない。それはもうしょうがないんで」と語る豊昇龍に、立浪親方は「(顔が)似ているからいろいろ言うんですけど、尊敬される人間になるよう指導していきたい」と見守る。

立浪部屋ゆかりの力士には、69連勝の記録を持つ大横綱・双葉山がいる。立浪親方は「(部屋を)継いだ時に名門復活を心にやってきた。結果が出てきたのかな」。要所要所で師匠の励ましを糧にしてきた豊昇龍は「立浪部屋の横綱として、僕が一番頑張らないといけない」と力を込めた。【岩壁峻】

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